子供を連れての海外旅行はトラブルがつきものですが、それ以上に楽しい思い出を作ることができます。できれば小さいうちから経験させてあげたいものです。楽しい思い出をつくるにはある程度のお金が必要なので、渡航費や食事代、お土産代などはできるだけ抑えたいところ。
これらの費用を抑え、お得に海外旅行を楽しみたいのであれば、カードの利用がおすすめです。 海外旅行に強いカードは数多くありますが、その中でどのカードを選べば良いのでしょうか? 今回は海外旅行に持っていくカードの選び方と注意点についてご紹介します。
海外旅行はクレジットカードとデビットカードどちらを持っていくのが良い?
海外旅行にはデビットカードを持っていくのがおすすめです。 なぜなら、海外旅行では気が大きくなってしまい、ついお金を使い過ぎてしまうから。日本よりも物価が安いからといって、クレジットカードでどんどん買い物してしまうと、帰ってから請求書に驚愕してしまいます。そうなると、せっかくの海外旅行の楽しい思い出も、資金調達で大変だった―なんてことになりかねません。
デビットカードなら使えるお金は口座残高に限られているので、生活費と海外渡航費を別口座にしておけば、日本に帰ってからもいつも通り生活することができます。
海外旅行で使うデビットカードを選ぶ3つのポイント
デビットカードは銀行によって様々な特典や特徴があります。ここでは、海外旅行で使うのに便利なデビットカードを選ぶ3つのポイントをご紹介します。
1.国際カードブランド「VISA」「MasterCard」のカード
海外旅行で使うデビットカードを選ぶときは、国際カードブランド「VISA」「MasterCard」のカードを選びましょう。 J-Debitのデビットカードは国内のみでしか使えません。
国際カードブランド「VISA」「MasterCard」であれば、世界中に加盟店があるため、海外でもショッピングの支払いに使うことができます。また、世界中にある対応ATMで現地通貨を引き出すこともできるので便利です。なお、国際カードブランド「JCB」も海外で使えますが、欧米や日本人が多くいる国のみでしか使えないことが多いので、あまりおすすめできません。
2.ICチップが付いているカード
海外で使うデビットカードを選ぶときは、ICチップが付いているカードを選びましょう。 ICチップを搭載しているカードには2つのメリットがあります。
- 強い電波を発する携帯電話やパソコンのそばに置いても読み取りエラーが起きない
- セキュリティーが強固でスキミング犯罪を防ぐことができる
スキミング犯罪とは、スキミングリーダーと呼ばれる装置を用いてカード情報を抜き出し、カードを不正利用する犯罪です。磁気ストライプのカードではわずか1秒もかからずにカード情報が抜き取られてしまうリスクがあります。
ICチップを搭載しているカードでは、情報量が多く簡単にスキミングすることができません。また、サインレス決済で、暗証番号を入力することで決済が行われるので、暗証番号が分からなければカードを偽造しても使うことができません。
このことから、ICチップ搭載のカードはセキュリティが強く、第三者の不正使用を防ぐことができます。
3.ATM手数料、海外ショッピング手数料がお得なカード
海外で使うデビットカードを選ぶときは、ATM手数料、海外ショッピング手数料がお得なカードを選びましょう。
通常、海外でデビットカードまたはクレジットカードを使い買い物をすると、海外の利用金額に換算レートを掛け合わせた金額が請求されます。換算レートの計算式は以下のようになります。
換算レート=基準レート × (1+外貨取り扱い手数料)
外貨取り扱い手数料は、カード会社によって違いますが、1.3%~2.16%かかります。
文章だけでは分かりにくいので、例としてアメリカ合衆国へ旅行に行き、1000ドルの買い物をしたとしましょう。基準レートはVISAでその日は1ドル105円、楽天、三井住友銀行、ソニー銀行のカードで買い物をした時に支払う金額は以下のようになります。
【3銀行の外貨取り扱い手数料】
- 楽天…3.024%
- 三井住友銀行…3.0%
- ソニー銀行…0%(但し、為替手数料として1ドルあたり15銭必要)
【1000ドルの買い物をしたときに引き落とされる金額】
銀行名 | 口座引き落とし金額 |
---|---|
楽天銀行 | 108,402円 |
三井住友銀行 | 108,105円 |
ソニー銀行 | 105,150円 |
口座引き落とし金額を比べると、なんと3,252円の差が出てしまうのです。 これは大きな差ですよね。恐らく海外旅行では1000ドル以上買い物をすることが予想されるので、この差はどんどん広がることが予想されます。
さらにカードが使えない場所では、ATMから現金を引き出すことになるのですが、カード会社によってATM手数料が異なります。
【3銀行のATM手数料】
銀行名 | 海外ATM手数料 |
---|---|
楽天銀行 | 無料 |
三井住友銀行 | 108円 |
ソニー銀行 | 216円 |
少額ですが、5回使えば1080円以上の差がでます。 よってカード会社を選ぶ際には、ATM手数料、海外ショッピング手数料を必ず確認するようにしましょう。
海外でデビットカードを使うときの注意点
現金を持たずにカードのみで買い物ができ、補償や保険もクレジットカードと同じくらい充実しているデビットカードですが、海外で使うとき2つの注意点があります。
海外旅行傷害保険が付帯していないものが多い
デビットカードのほとんどは、ショッピング保険や不正使用の補償は付いていますが、クレジットカードでは当たり前となっている海外旅行傷害保険が付帯していません。 旅行前に必ず海外旅行傷害保険に別途加入しましょう。傷害保険なしで海外旅行にいくのは大変危険です。
JTBグループ会社「ジェイアイ傷害火災保険」が2017年度の海外旅行保険契約者の事故発生状況の調査結果をまとめたページによると事故発生率は全体の3.42%、29人に1人という結果になっています。 さらに、2017年度「治療・救済費用」の保険支払最高額はなんと3,588万円。 アメリカ旅行のツアー中に心臓発作を起こし救急車で搬送、心不全と診断され現地の病院に15日間入院し家族が駆け付けた事案になります。
参考:ジェイアイ傷害火災保険 2017年度 海外旅行保険事故データ
海外旅行に行って病院に入院したら、家1軒分の医療費がかかる―そう考えると保険って大事ですよね。 海外旅行傷害保険をお考えなら、ソニー損保がおすすめです。 旅行当日に申し込むこともできるほか、海外で病気やケガなどのトラブルに見舞われた場合、24時間365日通話料無料の日本語サポートを受けられます。
詳しくは以下のページをご覧ください。
参考:ソニー損保 海外旅行保険
ホテル、レンタカーを利用するのに必要な「与信枠」の確認ができない
海外でホテルやレンタカーを利用する際には、必ずクレジットカードの提示を求められます。これは本人確認するのと同時にクレジットカードの与信枠を確認しています。ルームサービスや延泊料金が発生したときにこの人は追加料金をきちんと支払うことができるのか確認しているのです。
一方、与信枠がなく宿泊先が口座残高を確認できないデビットカードでは、この確認をすることができません。 そのため、デビットカードの使用を断られることも多いようです。
デビットカードが使えたとしても宿泊費とは別に「デポジット」と呼ばれる預かり金を請求されます。この預かり金は、ルームサービスや延泊をしなかった場合、本人に返金されますが、チェックアウト後数日~数週間かかります。
また、ホテルによっては日本人はカモだと思っている悪いホテルやレンタカーもあり、デポジットを返金してくれないこともあるため注意が必要です。ホテルやレンタカーを利用する際は、あらかじめツアーで予約しておくか、クレジットカードを使用したほうが良いでしょう。
海外旅行でデビットカードを使うならソニー銀行ウォレットがお得
海外旅行でデビットカードを使うならソニー銀行ウォレットがおすすめです。 なぜなら、10種類の通貨で海外ショッピング手数料が無料になるからです。 海外ショッピング手数料を無料にするには、事前に以下の手順を踏む必要がありますので、忘れないようにしましょう。
【海外ショッピング手数料を無料にする方法】
1.ソニー銀行より外貨預金口座を開設
2.海外旅行で使う予定のお金を円普通預金から外貨預金口座へ預ける(※預けるときに手数料が必要、米ドルの場合0.15%)
たったこれだけで、10種類の通貨の海外ショッピング手数料を無料にすることができます。また、為替レートの良い時に外貨預金口座に預ければさらに海外旅行費を節約できます。
もし、外貨預金口座にお金がなくても円普通預金の残高があれば自動的に外貨の不足分を充当してくれます。ただし、外貨預金口座がない場合、利用金額の1.76%の海外ショッピング手数料が上乗せされますのでご注意ください。
外貨預金については、以下のページをご覧ください。
まとめ
お得に海外旅行に行きたいのであれば、次の4つポイントを押さえたカードを選びましょう。
- 使い過ぎを防止するためにデビットカード
- 国際カードブランド「VISA」「MasterCard」のカード
- セキュリティと耐久性の高いICチップのカード
- 海外ショッピング手数料とATM手数料がお得なカード
海外ではつい気が大きくなって、無駄遣いしがちです。子供のためならばレジャー費も惜しまない親御さんも多いのではないでしょうか。ならばせめて、手数料を押さえたカードを選び、出費を減らしましょう。
たった数千円と思われがちですが、積み重なるとカードによって数万円の差が出ます。数万円あれば子供にもっと楽しい思い出を作ってあげられますよね。場所によってはもう1泊できます。できるだけお得に楽しむためにもカード選びはしっかりと吟味しましょう。